2025年12月19日放送 23:00 - 23:58 テレビ東京

ワールドビジネスサテライト
【利上げで・・・家計や企業にどう影響?】

出演者
原田亮介 田中瞳 長部稀 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
日銀が利上げ決定 企業や家計への影響は?

日銀が金融政策決定会合で、政策金利をこれまでの0.5%程度から0.75%程度に引き上げると決定した。ただドル円相場は156円台に到達した。市場は今回の利上げをすでに織り込んでいて、日銀の発表資料でも今後の追加利上げについて踏み込んだメッセージがなかったことから、円高ではなく円安へと進んだ。日経平均株価は午前の取引の終値から約150円程度値を上げてこの日の高値をつけたもののその後は小幅な値動きにとどまり、限定的な反応だった。きのうより505円高い4万9507円で取引を終えている。日銀の植田総裁は来年の賃上げが順調に行われると見込まれることや、アメリカの関税政策の影響が当初の想定より小さかったことなどから、利上げを決断したと説明した。そして注目されたのは、今後の利上げについて。特に質問が集中したのは「中立金利」で、景気を熱しも冷ましもしない中立的な金利水準のこと。日銀がどこまで金利をあげるかの目安になるもので、これまで日銀は1~2.5%くらいの間にあると説明してきた。植田総裁は中立金利について踏み込んだ発言はしなかったものの、「その最低ラインまでは達しておらず、今後も金利を引き上げる余地がある」と強調した。

こうした中、大きく動いたのが国債市場。長期金利は、植田総裁の継続利上げの方針や高市政権の財政拡張路線を受け、節目の2%を突破した。終値の2.020%は1999年以来の水準となる。バブル崩壊後の景気低迷で日本は緩和的な金融環境をつづけてきたが、今回0.75%に引きあげられたことで政策金利は1995年以来30年ぶりの水準となった。この利上げが追い風となるのが銀行で、東京スター銀行では預金金利の引き上げを検討するという。東京スター銀行では今年3月から給与や年金の受取口座に指定した普通預金の金利を年0.6%とする優遇措置を開始し、利用者数が約13%増加した。預金金利の引き上げは顧客を広げるチャンスと考えている。三菱USJや三井住友銀行など3メガバンクは普通預金金利を0.2%から0.3%に引き上げると発表し、顧客の囲い込みが激化している。東京・葛飾区の坪川製箱所は、梱包用のダンボールなどを製造する従業員17人の会社。大型製造機を銀行融資で5年前に購入したが、当時はマイナス金利で借入金利が低く抑えられていた。坪川恵子社長は「今だったら購入できなかったかもしれない」などと語った。帝国データバンクの調査によると、今回の利上げによって企業の利払い費は平均で年間64万円増える見込み。坪川製作所では新しい機械を購入したい希望はあるものの、今後の利上げのペースによっては慎重に設備投資の判断をするという。

金利0.75% 家計への影響は

日銀の政策金利の引き上げは、家計にどういった影響があるのかを見ていく。銀行の預金金利の引き上げによって、普通預金や定期預金の利子の受け取りが増える。また国債の利子収入の増加も期待できそう。一方で住宅ローンを抱えている人は支払う利息が増える。このプラスとマイナスを差し引いた家計全体への効果としては、年間プラス8000億円になるという(出所:みずほリサーチ&テクノロジーズ)。ただし世代別に試算すると、住宅ローンの支払残高が多い20代から30代の世代では年間約5万円のマイナスと、若い世帯への負担が大きいことがわかる。一方高齢世帯は金融資産が多い傾向があり、金利上昇の恩恵を受けやすいという。

解説 日銀 次の利上げはいつ? ヒントは過去の政策決定に

植田総裁は記者会見で「引き続き金融緩和の調整を進める」、つまり利上げを継続するという姿勢を見せたが、日銀ウオッチャー29人への調査(日経QUICKニュース調査)によると、次は来年7月という予想が最も多い。最終的に何%まで利上げを進めるかという質問には「1から1.5%」というあたりに回答が集中している。これは景気を支える賃上げが続くことや、物価上昇が続くことが条件。もう1つ、過去の利上げと円相場の関係をみると、円相場が150円台のことが多く円安局面での利上げとなっている。対ユーロではすでに180円という歴史的な安値水準となっている。円安は輸入物価を押し上げて国内物価にも波及するので、利上げの理屈が立ちやすい。リフレ派のブレーンを経済財政諮問会議などに集めた高市総理だが、物価高に直結する円安を放置はできない。基本業績が堅調であれば賃投げは続くので、夏には利上げの環境が整いそう。利上げが遅れたのはトランプ関税の影響が読めなかったということだが、ドイツ銀行の為替ストラテジストは「日銀の利上げは奇妙なくらい遅い。長期金利は2~2.5にならないと円安は収まらない」と話している

不適切会計疑いで“引責”か ニデック創業者 永守氏が辞任

きょう発表された、モーター大手「ニデック」のプレスリリース。ニデックを一代で世界的企業に育てた永守重信グローバルグループ代表が、代表権のない名誉会長に退いた。永守氏は1973年、京都でニデックの前身となる日本電産を立ち上げた。「すぐやる 必ずやる 出来るまでやる」を企業精神に掲げ、利益を追求する社風で成長を続けた。「買収によって時間を買う」という考えのもと今年7月までに75回ものM&Aを実施し、規模を拡大した。売上高2兆円を超える企業にまで成長させ、さらに2030年までに売上高10兆円という大きな目標を掲げていた。そんな永守氏が辞任した原因とみられているのが、買収したグループ会社で不適切な会計処理の疑いが相次いで発覚したこと。第三者委員会の調査が進行中で、経営幹部の責任も焦点となっている。10月には日経平均株価の採用銘柄からの除外が発表され、特別注意銘柄に指定された。永守氏は直筆の署名を入れたコメントで「不正経理の疑義について、ニデックのこれまでの企業風土に問題があるといわれることがある。この点申し訳なく思っている。ニデックの再生が最重要課題の今、経営から身を引くことにした」などとしている。

解説 ニデック 永守氏が代表取締役辞任 “カリスマ経営者”引き際に説明を

ニデックの永守重信氏が代表取締役を辞任した一連の経緯について、原田亮介は「トップにノーと言えない企業風土が、不適切会計の疑義の背景にあったのではないか。その責任を自ら取ったということ。ニデックには永守イズムを示す『すぐやる 必ずやる 出来るまでやる』という言葉があったが、岸田光哉社長はこれに『必ず正しくやる』を加えると言っている。肝心の事実解明は第三者委員会の報告書が出ていないのでよくわかっていない。監査法人のPwCジャパンは適切な会計報告かどうかについて『意見を言える状況ではない』と表明し、日本取引所グループは10月にニデックを特別注意銘柄に指定した。これが意味するところは、1年間で体制を立て直さないと上場廃止のリスクもあるということ。永守氏は一代で売上高2兆円という大企業を築きあげた。経営者としての永守氏に憧れて起業する若者たちもいる。第三者委員会の報告が出たら、永守氏自身が記者会見で事実関係を説明してほしい」などと語った。

WBS Quick
与党税制改正大綱を決定

与党の税制改正大綱が決まった。所得税が生じる「年収の壁」を現在の160万円から178万円に引き上げることが明記された。またNISA(少額投資非課税制度)は積立投資枠の対象年齢を18歳未満に拡大するほか、住宅ローン減税は中古住宅向けを拡充し限度額を引き上げる。一方、防衛力強化に向けた所得税の増税は2027年1月に開始するとした。政府は26日に税制改正大綱を閣議決定する見通し。

官房長官「非核三原則を堅持」

木原官房長官は、安全保障を担当する総理官邸幹部が「日本は核保有すべきだ」と発言したことをめぐり、「政府は非核三原則を堅持している」と述べた。そのうえで「唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けて取り組みを進める」と強調した。一方、発言した幹部の起用を続けるかどうかは名言を避けた。

OTC類似薬見直しで自維が合意

自民党と日本維新の会は、市販薬と成分や効能が似た「OTC類似薬」の一部について、保険適用のまま来年度から患者に負担追加を求めることで合意した。湿布薬やアレルギー薬、胃腸薬など約1100品目が対象で、これにより900億円程度の医療費を削減できるという。

プーチン氏 改めて強硬姿勢

ロシアのプーチン大統領は19日、来年2月で丸4年となるウクライナ侵攻をめぐり「自らが表明した原則に基づき紛争を解決したい」と述べた。プーチン氏はウクライナ東部・南部4州からのウクライナ軍の全面撤収や、クリミア半島と4州をロシア領とする国際的承認などを求めている。アメリカが仲介する和平案の調整が続く中で、ウクライナが受け入れ困難な強硬姿勢を改めて示した。

「ドコモSMTBネット銀行」に

NTTドコモと三井住友信託銀行が共同出資する「住信SBIネット銀行」は、来年8月から社名を「ドコモSMTBネット銀行」に変えると発表した。サービス名は、10月から「d NEOBANK」となっている。ドコモのサービス利用者向けに住宅ローン金利を優遇するほか、生成AI(人工知能)を活用したAI銀行サービスを来年2月から始めるとしている。

(ニュース)
首都直下地震に備え… 求められる企業の“防災力”

今後30年以内に70%程度の確率で起こるとされている首都直下地震。政府はきょう12年ぶりに、新たな被害想定を公表した。死者数は最大1万8000人となり、前回の想定より5000人減少した。報告書では首都機能に最も影響が大きいマグニチュード7.3の都心南部直下地震を想定。東京都心など広い範囲で震度6強、江東区では震度7を観測すると予想されている(出所:中央防災会議)。内閣府のシミュレーションでは老朽化したビルや木造家屋が倒壊し、木造密集地域では火災が多発するほか各地でライフラインが寸断される恐れがある。建物の耐震化や防火対策が進み死者数や建物の全壊・焼失は抑えられたものの、「10年間でおおむね半減」tの政府目標は達成できなかった。各企業や個人が首都直下地震を「自分ごと」としてとらえ、体躯に取り組む必要があるという。商業店舗やオフィスなどが入り、1日に約7万人が利用する「東京ミッドタウン八重洲」にある防災センターの様子を、特別に見せてもらった。約20人のスタッフが常駐し、モニターには施設内に設置された約1000代の監視カメラの映像が表示されている。オフィスロビーは、帰宅困難者の受け入れ場所として活用するという。受け入れ場所は3カ所指定し、約1500人が利用可能だという。地下の倉庫にはその1500人が3日間生活できる水やパン、携帯トイレなどの備蓄品が保管されている。施設を管理・運営する三井不動産は今後も地震への対策を強化し、防災力の高い街づくりを進めたい考え。外国人観光客も多く訪れるため、災害時の館内放送は英語、中国語、韓国語でもアナウンス出来るようにしているという。

The 追跡
1週間の“経済”ニュース

15日月曜日、ロボット掃除機「ルンバ」を手掛けるアイロボットは、日本の民事再生法にあたるアメリカ連邦破産法第11条の適用を申請したと発表した。生産を委託する中国メーカーの傘下に入り再建を目指すとしている。17日水曜日、EU(ヨーロッパ連合)の政策執行機関「ヨーロッパ委員会」は、2035年から予定していたガソリン車などの新車販売禁止措置を見直す方針を発表した。

半世紀ぶり“ゼロ”に パンダ「返還」の影響は?

2021年、ジャイアントパンダ・リーリーとシンシンの間に生まれた双子のシャオシャオとレイレイ。生後6か月には2頭が寄り添い仲良く遊ぶ姿もみられた。その双子を来年1月に中国に返還すると発表された翌日、上野動物園でパンダを観覧できた時間はわずか1分。待ち時間は最大で4時間だったという。上野動物園からパンダがいなくなると、年間で約154億円の経済損失との試算もある(関西大学 宮本名誉教授による)。上野観光連盟の二木忠男名誉会長は「パンダのいない上野は考えられない。商店街の活気が落ちる」などと語った。

“脱・パンダ”へ 白浜町の挑戦

パンダによる地域への経済効果が失われるのではとの懸念の声がある中、パンダなしでも町の魅力を高めようと動き出しているのが和歌山県の白浜町。町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」では飼育していたパンダ4頭を今年6月に中国に返還し、多くの人が名残を惜しんだ。新たな観光の町づくりの先頭に立つのが、去年白浜町長に就任した大江康弘さん。パンダ返還後、「ポストパンダ」の観光振興に乗り出している。ホテル誘致や規制緩和を進め観光の町としての景色を変えていきたいという。その成果の1つがカフェ。白浜町が補助金を出し今年8月、民間企業などと共にオープンした。街の魅力を発信する新たな拠点として期待されている。白浜は日本三古湯の1つ。街は原点と言える温泉に改めて光を当て顔湯スポットや温泉卵の販売所など歩きながら楽しめる滞在型のまちづくりを進めている。白浜町では来年度中の宿泊税導入を検討、観光振興策にあてる安定財源の確保につなげたい考え。

日本の“パンダファン”に期待

中国では「パンダツーリズム」への期待が高まっている。野生のパンダの約3割が生息する四川省にはパンダを求めて国内外から多くの観光客が訪れている。雅安市にはシャンシャンに会いに多くの日本人が訪れており、去年の観光収入は前年から15%増の約5720億円となっている。日本人向けにパンダの情報を発信している「シャンシャンの家」は、上野からのパンダ返還を機に日本人向けツアーや情報提供を強化するという。何先行社長は「パンダを通じた良い交流と感情が続くことを人々は願っている」などと話した。

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“脱・パンダ”で「まちづくり」は

白浜町の大江町長はパンダの返還で観光客は一旦減るとしつつも、元からある観光資源を活かした街作りで観光客を呼び戻すとしている。一方上野観光連盟の二木会長は「次のパンダを待つしかない」としており、上野動物園もパンダのいるスペースはしばらく残しておくとのこと。

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ラピダス 半導体新基板を公開

ラピダス・小池淳義社長は世界初だという600ミリ角の次世代半導体基板を公開した。ガラス素材を活用した新たな基盤はAI向け半導体を従来の10倍以上生産でき、生産効率を大幅に向上できるとしている。ラピダスは半導体基板の開発をさらに進め、来年には大型顧客の獲得につなげるとしている。

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診療報酬本体3.09%上げ

政府は診療報酬について来年度の改定で医師などの人件費にあたる「本体」部分を3.09%引き上げることで最終調整に入った。2年前の改定率の0.88%を大きく上回る。3%を超えることになれば1996年度以来30年ぶり。

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