アメリカのIPPA(国際緊急経済権限法)は、大統領が緊急事態を宣言すれば事前調査をせずに輸入・輸出を規制できるため、トランプ政権は中国との間で追加関税応酬の際に活用している。国際貿易裁判所は1審でIPPAを根拠とした関税措置について大統領の権限を超えているとして差し止めを命じ、連邦控訴裁判所も去年8月に1審の決定を支持する判断を示した。連邦最高裁判所は、IEEPAを根拠として関税を課す権限は大統領に与えられていないとして、トランプ政権側が敗訴した形となった。アメリカの税関・国境警備局の関税による収入は、トランプ政権の発足から2000億ドル以上となった。最高裁の判断で、アメリカ政府は企業から巨額の還付を求められる可能性がある。トランプ大統領は政権に不利な判断が出た場合、代替となる関税措置の発動を検討する考えを示している。品目ごとの追加関税は、今回の裁判の対象とはならない。
