500年の歴史を持つ奈良の地場産業、吉野林業が採算性の面から継続が今、難しくなっている。その原因の1つが木材の搬出コストの高さ。岡橋清隆さんは奈良型と呼ばれる作業道の普及に努める第一人者。大規模な植林で知られる奈良の吉野地方。大量の木を運ぶため作業道は広く作るのが常識だったが、従来の作業道に比べ必要最低限の道幅にすることや現場にあるものを極力生かすことで造るコストを抑えている。木が高く売れていた時代はヘリコプターや大型トラックを使うなど搬出にもコストをかけられた。しかし、スギの値段は当時の最高値から3分の1、ヒノキは5分の1まで下がっている。岡橋さんは木材の値段が下がった今、奈良型作業道に林業継続の活路を見出した。奈良型作業道造りで1番大切なのは道をつけるルートを決める事前調査「踏査」。元々山にあった木などを使うため山とのなじみも良く、2011年の紀伊半島大水害の時も奈良型作業道のほとんどは壊れなかった。岡橋さんに作業道の作り方を学びたいと林業を志す若者も外からやってくるように。岡橋さんは「今、吉野林業は最後のチャンス。ここで作業道をつけて、また山へ入れるようにするのは私の夢」と語った。
