兵庫県豊岡市の海に集まる全国のダイバーたち。目当ては、水深約7mのところにいるサクラダンゴウオ。大きさは1センチほど。泳ぎが苦手で、腹ビレを吸盤のように使って海藻にくっついている。繁殖活動のために、2~5月ごろにかけてこの海域にやってくる。桜が咲く時期に見られることから、その名がついた。2017年には、新種に登録されている。近年、サクラダンゴウオの生息域で、海藻が著しく減少する磯焼けが発生し、サクラダンゴウオも10年前の半分ほどに減ったという。この海で20年近くガイドをしているダイバーの田中さんは、地元水族館と連携して、人工繁殖に取り組んでいる。去年、人工繁殖に成功し、生まれてきた300匹のうち100匹を海に放流した。去年放流した海域ではことし、サクラダンゴウオと卵のほか、生まれたばかりの稚魚も確認された。稚魚には、頭に白い模様があり、ダイバーの間では天使の輪と呼ばれ、1か月ほどで消えてしまうという。田中さんは、毎年、ダンゴウオが戻ってこられるように、豊かな海を守り続けたいなどと話した。
