ニューヨークの市長選挙が投開票日を迎え、イスラム教徒で34歳の民主党左派候補、ゾーラン・マムダニ氏がクオモ前ニューヨーク州知事らを破り当選を確実にした。勝利宣言でトランプ大統領に「我々の誰かに手を出すのなら、全員で立ち向かう」メッセージを送ったマムダニ氏はアフリカウガンダ出身でインド系の両親を持つイスラム教徒だ。7歳のころにニューヨークに移住し政治活動を行う前はラッパーとして活動するなど、異色の経歴を持つ。急進左派であるマムダニ氏が大企業や富裕層への増税を主張していることなどから民主党系であるクオモ氏をトランプ氏が支持する異例の事態となっていた。マムダニ氏の看板政策が、家賃の値上げを禁止する「家賃凍結」や市営バスの無料化や保育の無償化など高い生活コストに苦しむ人々に寄り添った政策を打ち出し支持を広げてきた。特にマムダニ氏を支えているのがZ世代の若者たち。マムダニ氏を支持する24歳のソフィアさんはマンハッタンのワンルームアパートにパートナーと2人で暮らしている。家賃は1800ドル、およそ28万円。運よく手ごろなアパートに暮らせているがマンハッタンのワンルームアパートの平均家賃はおよそ63万円。もともとソフィアさんがマムダニ氏を支持したきっかけは政策ではない。マムダニ氏がインスタグラムに上げた写真にこれまでの政治家にはない親近感を抱いたという。こうしてTikTokやインスタグラムで等身大の姿を発信するなど巧みなSNSによる情報発信はマムダニ陣営の最大の武器となった。マムダニ氏の勝利は来年の中間選挙に向けてアメリカ全体の政治の方向性に大きな影響を与えたとタフツ大学のルビー・ベル・ブース氏は指摘する。
