- 出演者
- 池上彰 笹野高史
オープニング映像。
今回、1986年放送「NHK特集 鏡獅子三代 ~勘九郎・難曲への挑戦~」を再放送。当時「勘九郎」と名乗っていた歌舞伎俳優・中村勘三郎が科学的な分析も取り入れながら代々の芸を受け継ぐ様子に迫ったドキュメンタリー。スタジオゲストは歌舞伎俳優でもあり勘三郎と共演経験がある笹野高史。勘三郎は当時歌舞伎に現代的な演出を取り入れようとしていて、現代劇で活躍する笹野を招いた。共演は500回以上。
歌舞伎の難曲とされる「鏡獅子」に挑戦した中村勘九郎、30歳。名門の御曹司として生まれ、母方の祖父は六代目尾上菊五郎。演じるのは10年ぶり2度目。名優・菊五郎に少しでも近づこうと、そのビデオを見ながら意欲を燃やす。菊五郎は勘九郎が生まれる前に死去。鏡獅子は卓抜した体力と技能を必要とする演目で、それを自由自在に踊った菊五郎は「鏡獅子の神様」とまでいわれた。
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- 尾上菊五郎[6代目]鏡獅子
歌舞伎の難曲とされる「鏡獅子」に挑戦した中村勘九郎、30歳。母方の祖父は「鏡獅子の神様」といわれた六代目尾上菊五郎。演じるにあたり六代目について研究。この日は六代目の妻をたずね、生前着ていた着物や当時のアルバムを見せてもらった。早稲田大学演劇博物館では六代目の裸の像が保管されている。表現されているのは53歳の時の肉体。元横綱・栃錦(春日野理事長)は六代目と相撲をとったことがある。
歌舞伎の難曲とされる「鏡獅子」に挑戦した中村勘九郎、30歳。母方の祖父は「鏡獅子の神様」といわれた六代目尾上菊五郎。演じるにあたり六代目について研究。この日は六代目の裸像を造った平櫛田中が晩年を過ごした小平市のアトリエをたずねた。アトリエは現在、年間1.5万人が訪れる記念館になっている。見せてもらったのは六代目の肉体を撮影した71枚の写真。写真を研究者に見てもらったところ分かったのは膝が普通より高いこと。走り高跳びの選手に多い体型で、力を入れながら急激に方向を変えるのに有利。勘九郎も平均より高いが菊五郎には及ばない。
歌舞伎の難曲とされる「鏡獅子」に挑戦した中村勘九郎、30歳。父・勘三郎の指導を得て猛稽古が続く。2度目の舞台のために父から細かく教わるのは稀。「鏡獅子の神様」といわれた六代目尾上菊五郎に近づきたいという情熱を父が感じ取ったからで、勘三郎自身もかつて六代目に厳しく鍛えられた経験を持つ。
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- 尾上菊五郎[6代目]
歌舞伎の難曲とされる「鏡獅子」に挑戦した中村勘九郎、30歳。夏、足腰を鍛えるため20年以上続けている水上スキーを休養先の山中湖で行った。初めて演じた際は「鏡獅子の神様」といわれた母方の祖父・六代目尾上菊五郎の遺品である「手獅子」の小道具を使ったが、今度の舞台では新しいものを使う。課題は使い勝手が悪いこと。研究者に六代目の遺品とあわせて見てもらったところ、良い音を鳴らすのにより強い力が必要であることが判明。この結果を受けて改良した。
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- 富士山尾上菊五郎[6代目]山中湖筑波大学
歌舞伎の難曲とされる「鏡獅子」に挑戦した中村勘九郎、30歳。初舞台は3歳のとき。「鏡獅子」の公演初日。会場に向かう前、「鏡獅子の神様」といわれた母方の祖父・六代目尾上菊五郎の墓参り。公演直前、極度の緊張に襲われる。父で師の勘三郎に挨拶を済ませ、舞台袖までの長い道のりを歩くうちに気持ちを集中させていった。手のひらに指で「六代・菊五」と書き呑み込む。
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- 尾上菊五郎[6代目]歌舞伎座鏡獅子
歌舞伎の難曲とされる「鏡獅子」に挑戦した中村勘九郎、30歳。前半を踊り抜いたあと、緊張と興奮が冷めない。前半は静かな踊りだが80%のエネルギーを使うという。10分間の早ごしらえの後、残った力を振り絞って後半に臨む。後半で演じるのは獅子の精。
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- 鏡獅子
ここまで、1986年放送「NHK特集 鏡獅子三代 ~勘九郎・難曲への挑戦~」を再放送。スタジオゲストで勘九郎と共演歴がある笹野は「若いころ見た時よりも緊張感が伝わってきた」とコメント。勘九郎は型を受け継ぐことを重視していて、自身も厳しい指導を受けた。当時は「型があるから型破りが出来る」と話していたという。生前は研究者からの助言を受けるなど新しいものを受け入れる姿勢も見せていた。笹野が勘九郎と歌舞伎の海外公演を行った際に印象的だったのは、観客から素直なリアクションが聞かれたこと。勘九郎もその嬉しさ・楽しさから舞台上で笑顔だったという。
ここまで、1986年放送「NHK特集 鏡獅子三代 ~勘九郎・難曲への挑戦~」を再放送。勘九郎は生前「歌舞伎に若い人を呼びたい」とよく話していたといい、共演歴がある笹野はいま映画「国宝」のヒットで歌舞伎がブームになっていることについて「いま見ていたらこのブームを喜んだのでは」とコメント。いまの歌舞伎界について「立派にあとを継いでいて、次の世代へ移すこともきちんと考えている」とコメント。
中村勘三郎の息子である中村勘九郎、中村七之助らは現在も歌舞伎俳優として活動。2月に行われた演目は江戸歌舞伎の発展を願うため中村屋が中心となり始まった「猿若祭」。祖父が立ち上げ、父から受け継いだ。この公演には勘三郎の盟友で人間国宝の片岡仁左衛門も出演した。勘九郎は「親から子へだけではなく歌舞伎を伝えていかないといけない」「自分の代で間違ったことを教えてはいけないというプレッシャーもある」と話す。
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