アメリカとイランの停戦合意から一夜が明けたが、早くもその脆さが露呈し始めている。レバノンの首都ベイルートをイスラエルが攻撃し、親イラン民兵組織「ヒズボラ」の施設を対象に10分間に100カ所以上の空爆を行った。レバノン当局によると少なくとも254人が死亡したという。イスラエルのネタニヤフ首相は「レバノンは停戦対象外」とし、ヒズボラへの攻撃を続けると宣言。アメリカ側もこれに追随し、バンス副大統領は「イラン側は停戦協定にレバノンも含まれると考えていたようだが、そうではなかった」などと語った。一方のイランと停戦を仲介したパキスタンは、停戦には「レバノンも含まれる」と主張。イラン側の交渉を率いているとみられるガリバフ国会議長はSNSで「こうした状況のもとでは、二国間での停戦や交渉は合理性を持たない」と強く反発した。11日にはパキスタンでアメリカとイランによる停戦協議が行われる予定だが、両者の認識に大きな食い違いが生じている。トランプ大統領は自身のSNSに「合意を順守しなければ、これまで誰も見たことのないほど大規模で協力な攻撃が始まる」と投稿した。イラン国営メディアは、開放するとしていたホルムズ海峡を「再び封鎖した」と報じた。東京大学大学院の渡邉英徳教授は、停戦の合意後ホルムズ海峡の状況はむしろ悪化したと分析する。渡邉教授は「通る船の量は減っている。タンカーも通らず、貨物船も少ない数になっている」などと語った。
ホルムズ海峡は現在も、通行する際にはイラン革命防衛隊との調整が必要な模様。革命防衛隊が公表したとされる指定航路図によると、指定された出入りするルートはイラン本土にほど近いエリアとなっている。イランとオマーンの間の海峡中央部は、機雷と接触する可能性がある「危険地帯」との記載がある。渡邉教授は、イラン側が引き続きホルムズ海峡の実行的な支配を続けようとしていることがわかるという。きのう1バレル91ドル台まで急落していたWTI原油先物価格は、一時99ドル台まで再び上昇した。こうした状況の中、日本企業の業績にも懸念が生じている。去年9月から今年2月の決算を発表したユニクロを展開するファーストリテイリングはユニクロ事業が全ての地域で好調で、売上収益・純利益共にこの期間として過去最高だった。通期の業績予想も売上収益・純利益共に上方修正した。中東情勢の影響は今季の素材調達はめどが付いているため限定的としているが、長期化した場合の影響を懸念している。コンビニ大手のセブン&アイHDの今年2月までの1年間の決算は純利益が69%増えて2927億円と、イトーヨーカドーなどを束ねるヨークHDの売却益が押し上げた。来年2月までの1年間の業績は、実質ベースで増収増益を予想している。しかし丸山好道最高財務責任者は「イランの紛争等、地政学的リスクによる当社の事業への影響は、通期業績予想には織り込んでいない」などと語った。セブン&アイにとって原油の高騰は、追い風にも逆風にもなる。北米で展開する多くのコンビニはがガソリンスタンド併設型で、在庫分を高く売りやすく収益を伸ばしている。一方でコンビニ事業そのものには原材料費の高騰など影響が直撃するとみられている。帝国データバンクがきょう発表した調査では、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰などについて9割を超える企業が「経営にマイナス」と回答した。今の状況が半年程度続いた場合、4割を超える企業が主力事業の大幅な縮小を余儀なくされるとしている。野村総合研究所の木内登英氏は「企業の価格転嫁は今までのように順調には進めない。企業収益にしわ寄せが行きやすいタイプの物価上昇局面に転換してきている」などと語った。
ホルムズ海峡は現在も、通行する際にはイラン革命防衛隊との調整が必要な模様。革命防衛隊が公表したとされる指定航路図によると、指定された出入りするルートはイラン本土にほど近いエリアとなっている。イランとオマーンの間の海峡中央部は、機雷と接触する可能性がある「危険地帯」との記載がある。渡邉教授は、イラン側が引き続きホルムズ海峡の実行的な支配を続けようとしていることがわかるという。きのう1バレル91ドル台まで急落していたWTI原油先物価格は、一時99ドル台まで再び上昇した。こうした状況の中、日本企業の業績にも懸念が生じている。去年9月から今年2月の決算を発表したユニクロを展開するファーストリテイリングはユニクロ事業が全ての地域で好調で、売上収益・純利益共にこの期間として過去最高だった。通期の業績予想も売上収益・純利益共に上方修正した。中東情勢の影響は今季の素材調達はめどが付いているため限定的としているが、長期化した場合の影響を懸念している。コンビニ大手のセブン&アイHDの今年2月までの1年間の決算は純利益が69%増えて2927億円と、イトーヨーカドーなどを束ねるヨークHDの売却益が押し上げた。来年2月までの1年間の業績は、実質ベースで増収増益を予想している。しかし丸山好道最高財務責任者は「イランの紛争等、地政学的リスクによる当社の事業への影響は、通期業績予想には織り込んでいない」などと語った。セブン&アイにとって原油の高騰は、追い風にも逆風にもなる。北米で展開する多くのコンビニはがガソリンスタンド併設型で、在庫分を高く売りやすく収益を伸ばしている。一方でコンビニ事業そのものには原材料費の高騰など影響が直撃するとみられている。帝国データバンクがきょう発表した調査では、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰などについて9割を超える企業が「経営にマイナス」と回答した。今の状況が半年程度続いた場合、4割を超える企業が主力事業の大幅な縮小を余儀なくされるとしている。野村総合研究所の木内登英氏は「企業の価格転嫁は今までのように順調には進めない。企業収益にしわ寄せが行きやすいタイプの物価上昇局面に転換してきている」などと語った。
