きょうは日本経済で2つの大きな動きがあった。日経平均株価が史上初めて7万円の大台を突破し、日本銀行は政策金利を1%に引き上げると決めた。日経平均6万円を突破するのは4月、それから2カ月も立たない内に7万円に到達した。市場が注目していたのは、きのうから行われていた日銀の金融政策決定会合である。焦点は政策金利の引き上げについてで植田総裁が入院中のため、政策委員8人による投票が行われた。結果は7人が賛成し、反対したのは1人であった。事前に報じられていた通り、政策金利を0.75%から1%程度へ引き上げが伝わると上げ幅を広げ一時7万円にタッチした。会見に出席したのは内田副総裁でなぜこのタイミングでの利上げに踏み切ったのか説明した。中東情勢の不安定課による原油価格の高騰で、物価の大幅上昇などを警戒しているのである。1%という政策金利は1995年以来、31年ぶりのことであった。当時はバブル崩壊の後遺症で、金融機関の不良債権問題に深刻化。利下げによって資金を市場に供給しようという事態となり現在の状況とは異なっていた。今、日銀が注視しているのは中東情勢の行方である。一般的に利上げをするケースとされているのは「“ディマンドプル”=需要主導型物価高」である。金利が上がると銀行からお金を借りる時の利息が高くなる。すると企業は新しい工場を建てるのをためらい、個人は住宅の購入などを控える。貯金への動きも強まることから、世の中全体でお金を使う動きが減っていく。この「買いたい」という需要が弱まると、商品の値段が下がり物価高は次第に落ち着いていくという流れである。ただ現在の物価高は中東情勢による原油高の影響が大きく、原材料価格や賃金の上昇によるコストプッシュ型の物価高である。船舶用のポンプはモーターの部品などを作る町工場である。中東情勢の悪化で材料費が2割以上高騰し、さらに追い打ちをかけそうなのがこの利上げであった。改築費用に6000万円以上かかり、古くなった機材の入れ替えに1億円ほどの借り入れが必要だという。農林水産省がきょう発表した価格動向調査によると、鶏もも肉の平均価格は先月から1円値上がりし100g155円でタマゴの平均価格は309円で2カ月連続最高値を記録している。食卓を直撃する物価高の大きな要因は円安である。今回の利上げには日米の金利差が縮小することで“円安の是正”に注目されていた。ただその為替市場は利上げ決定後も大きく「円高」に進むことはなかった。
