日本への公開にあわせて映画監督のブランドン・クレーマーさんが来日。製作したのは記録のためと違いをこえて対話する機会を作りたかったから。ハマスに連れ去られたのはリアット・アツィリさんとアヴィヴ・アツィリの夫婦。父親は人質開放を求める代表団の一員として渡米しバイデン政権への働きかけを続ける。帰還を願う家族だがぞれぞれの考えの違いが浮き彫りとなる。次男は強い怒りを抱き深いトラウマに苦しむ。父親は人質の開放とともにパレスチナとの共存も重要だと考えている。しかしリアットさんの妹は政治的な問題には触れず人質開放に専念すべきと主張。クレーマー監督はこの映画を観た観客は普段は目にしないような視点やその経験と向き合わなければならなくなる。リアットは悲劇を経験し本来なら怒りや復しゅうを求めるはずが、フェンスの向こう側に住むパレスチナ人への共感と思いやりを求める姿をみせた。暴力や戦争、軍事力は平和への道を見つけるための答えではない。国境や壁、国家といった違いをこえ互いの人間性を見つめ合い、相手を人間として見ることが重要だと述べる。
