一方富雄丸山古墳には被葬者をめぐる大きな謎がある。巨大蛇行剣などが見つかりこれから調査が行われる木棺があるのは、古墳から飛び出した「造り出し」と言われる部分。一般的に古墳の主は墳頂部に埋葬され、貴重な副葬品はここで見つかることが多い。明治時代に盗掘にあい全容はわかっていないが、日本最大の円墳である富雄丸山古墳の主は「ヤマト王権の有力者だった」と考えられている。造り出しの木棺の中に眠る人物と、墳頂部の被葬者の関係はどのようなものだったのか。そしてなぜ巨大蛇行剣が古墳の端とも言える造り出しに埋められていたのか。多くの謎に迫る調査が始まった。2週間後、粘土の中から木棺の蓋の一部が露出し始めた。調査の中心メンバーである柴原聡一郎技術員が金属探知機を木棺に向けると、中から金属反応があった。
