人口が増え経済発展が続くフィリピンでは、交通量の増加から首都マニラでは渋滞が慢性化している。政府は大規模な鉄道網の整備に乗り出し、その建設から人材育成までを日本の企業が支えている。マニラで2032年の全線開通を目指す「南北通勤鉄道」は、日本企業の三井住友建設が建設している。日本の管理基準に基づき、駅舎や高架橋を建設している。フィリピンで初めてとなる地下鉄の工事も日本企業が主導し、マニラ中心部など全長33キロをつなぐ計画で2032年の開業を目指している。総事業費1兆2000億円の半分近い約5000億円を、JICA(国際協力機構)が支援している。開通後の運営やメンテナンスに関わる人材の育成も欠かせない。フィリピン政府は開通後の10年間で1万5000人のスタッフが必要と試算している。地元の大学の鉄道専門学科では、人材育成に日本企業が協力している。東京の地下鉄運営会社とも連携し丸ノ内線で実際に使われていた車両を持ち込み、車両の構造や保守・点検を学んでいる。フィアティ大学のCEOは「安全基準と運行における品質要件に重点を置いて、連携先を決めた」などと語った。JICAフィリピン事務所の伊達令さんは「関心を持って現場を見てくれるのはわれわれもうれしく、フィリピンでの鉄道の人材開発に引き続き協力したい」などと語った。
