インドとEUは27日にもFTA=自由貿易協定を正式に締結する見通し。エコノミック・タイムズによるとEUのフォンデアライエン委員長はインドとEUの自由貿易協定の締結によって人口20億人規模、さらに世界のGDP=国内総生産の4分の1を占める強大な市場が生まれると述べたという。アメリカに輸入品の関税を50%に引き上げられたインドはFTAが締結されればEUへの輸出が加速するとみられているとロイター通信は報じている。一方、時事通信はグリーンランドをめぐる問題などを様々な面でトランプ政権がEUに圧力を強める中、EU側は最近、経済面でのアメリカ脱却を模索してきたと伝えている。ロイター通信によるとインドは中国、アメリカに次ぐ市場規模で新車販売は年間440万台にのぼるといい、2030年までに年間600万台に成長すると予想されている。インドの自動車市場は「タタ・モーターズ」や「スズキ」など主要3社で3分の2を占めている。現在は輸入車に70%または110%の関税が課されているが、FTAの締結後は40%に引き下げる方針だという。その狙いについて第一生命経済研究所 首席エコノミスト・西濱徹氏は「モディ首相は国内の製造業を強化したい狙いがある。自動車の関税引き下げに伴い自動車部品の関税引き下げも考えられ、ヨーロッパの自動車メーカーの工場がインドに進出してくることを期待しているのではないか。また、インドはインド人のヨーロッパでのビザ取得要件の緩和を要望している。アメリカが移民政策を強化する中、インドの優秀なITエンジニアがヨーロッパへ流れるきっかけになる可能性も高い」と指摘。また、インドとEUのFTAは日本企業にもチャンスだという。西濱氏は「スズキは進出しているインドからコンパクトカーを中心にヨーロッパに輸出していて、さらなる輸出増が期待できる。また、ヨーロッパに進出している日本企業がインドに進出する足掛かりになることも期待できる。このように世界中の国がインドを拠点化する可能性もあり、20億人規模の市場の誕生は世界に与えるインパクトが大きい」と話している。
