インドの首都ニューデリーにある美容室。経済発展や中間層の拡大でおしゃれをする人が増える中、エクステやウイッグの人気が高まっている。レミーヘアと呼ばれるエクステ。髪にツヤがあり見た目が自然なことから人気で日本円で5万円ほどする。美容だけでなく、がんなどの病気や事故で髪を失った人たちへの大切な支えにもなっている。“黒いダイヤ”とも呼ばれる毛髪はどのようにもたらされているのか。インド南部アンドラプラデシュ州。住宅街で目にしたのが髪の毛を探し歩く女性たちの姿。手渡しているのは髪をとかす際に抜け落ちた髪の毛。100グラムあたり日本円で約2000円。農村で暮らす女性にとっては貴重な収入源。こうして集められた髪を製品として販売している会社がある。社長のラグビール・バンカさん。インド政府から髪の毛の販売や輸出の許可を得て10年ほど前からビジネスを行っている。バンカさんがいま力を入れているのが“テンプルヘア”と呼ばれる髪の毛。テンプルヘアはヒンドゥー教の寺院からもたらされる髪の毛で、長くまとまった量があることから品質が均一で需要が高いとされている。テンプルヘアを年間40トンほど仕入れ、製品化につなげている。インド南部アンドラプラデシュ州にある寺院。毎週末、多くのヒンドゥー教徒が訪れている。この地域ではお礼参りをする際に自分の髪の毛を剃って奉納する伝統がある。健康な赤ちゃんの出産や結婚、就職などの願いが叶うと神への感謝の気持ちとして髪を奉納するとしている。奉納された髪は大切に保管され、1キロ5万円ほどで業者に販売される。収益は寺の修繕費や維持費などに充てられている。テンプルヘアの多くは高級品として海外に出荷されている。バンカさんの会社では今、販路の拡大に乗り出し、海外向けに新たな商品を開発。輸出先は欧米や中国など20か国以上に及ぶ。特に市場として熱い視線を送っているのがアメリカ。バンカさんは今後、向上を増設するなど事業を拡大するとしている。
