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オープニング映像。
東京・京橋。現代美術専門のミュージアムにやってきた西川貴教。現在空山基の大規模な展覧会が開催中。1970年代から現在まで、空山が作り出していた様々な作品を楽しむことができる。キャンバスやイラストボードにアクリル絵の具で描かれた動物。光り輝く金属の生命体のよう。光より早い女神をイメージして描いた作品は、首から上は生身の女性。躍動する金属ボディが生きる喜びを謳歌するよう。恐竜は空山さんが子供の頃から大好きだったモチーフ。空想の産物だがロボットの構造がかなり精密に描かれる。絵だけではなく、鏡のように輝く立体が並ぶインスタレーションは、人間と機械が融合する世界。新たな生命の誕生を予感させるかのよう。
1999年に発売された世界初の家庭用エンタテインメントロボットのAIBO。そのオリジナルデザインは、空山さんが生み出していた。それまでのロボットは黙々と作業をこなす無機質な存在だった。
バブル崩壊後に不況から始まった平成の日本。家庭に入り始めたコンピューターが閉塞感を打開するカギをとなると思われていた。1994年に世にも珍しいロボットの開発がソニーでスタート。AIBOの開発リーダーの土井利忠さんは社内からはいいアイディアが出てこず、ソニー製品のマスコットをデザインした空山さんに声をかけた。そして子犬をイメージしたロボットのAIBOが誕生。目をつけずに黒く半透明で覆ったのがなんともいえない味だと感じたという。空山さんのデザイン画はソニーのエンジニアを驚かせた。空山さんのロボットなのに血が通っているかのようなイメージを実現したいと、こうして発売されたのが世界初の犬型ペットロボット。可愛らしく尻尾を振り、子犬らしい仕草で感情を伝える。コミュニケーションを大事にした。技術的な問題で、空山さんがこだわった足の動きは肉球にみたてたボールに。
1999年にAIBOが発売されるとわずか20分で用意した3000体は完売。そのデザインは高く評価されモダンアートの殿堂のニューヨーク近代美術館の収蔵も決まった。しかし、空山さんは不満はあったと答え、誰もみたことのないものを作りたいという思いがあった。
1947年に空山さんは愛媛県今治市に誕生した。絵を描くことが大好きで、夢中になったのは、アメリカの雑誌に載っていたピンナップアート。理想化された肉体美の表現に魅了されて毎日のように模写した。もう1つ惹かれたものは光。絵を描くことと光るものが大好きだった少年は、東京の美術学校を経て広告代理店に就職した。そしてフリーイラストレーターとなった。最初の仕事は1978年に洋酒メーカーの宣伝のために描いたイラスト。人と犬のメタリックな姿は空山さんの原点となる表現。空山さんの絵は進化していき、光の反射が眩しい金属の肌に、スーパーリアルな描き方で空山さんの代名詞となったロボットアートが誕生した。そんな空山さんの思いの詰まった作品。西川が注目したのはメタリックな口にあるほくろ。マリリン・モンローやボッティチェッリのヴィーナスの誕生はシルバーメタルの美の化身に。
空山さんが描く金属の肌は独特の手法で生み出されている。物の質感は色彩の明暗で表現されるが、地面を青空でメタリックな質感を表現しているという。地平線から昇ったばかりの太陽と青い空。砂漠のような風景が描かれている。透明感のある金属の肌。光の反射と映り込む風景で表現していた。さらに空や地平線の歪みによって肉体の曲線も表現されている。この風景は空山さんの想像世界。
空山さんの影響は大ヒットしたハリウッド映画にも。近未来に活躍するロボット警官のメタ陸なデザイン。空山さんの作品と比べると、似たデザインがあり映画の担当デザイナー自らその一枚からインスピレーションを得たことを語っている。
西川貴教は空山さんのアトリエでその技をみせてもらうことに。
空山さんは絵の最終仕上げに使っていたのは紙やすり。表面を削り、さらにカッターナイフで下地に塗った白を削り出している。空山さんは独自の手法で多彩な光を放言し、世の中をあっと言わせてきた。西暦200年代になると人型ロボットが次々に誕生した。AIによって機械自らの意思を持つ可能性すら生まれてきた。
空山さんの作品も大きく変化し、2015年から手掛けている機械生命が表れる未来のイメージを先取りするような立体作品。鏡を使って光の反射が織りなす幻想的な効果を狙った。ガラスケースの中で立体が様々浮遊するインスタレーションは、ケースの内側は鏡張りになっていてまるで機械家人形の迷宮に入り込んでしまった異世界のような空間に。
富山県高岡市で作品が作られている。鋳物の匠のワザが400年以上受け継がれる。熱したアルミを鋳型に流し込むのは熟練の職人たち。これがロボットアートに大変貌。
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- 高岡市(富山)
富山にある平和合金は繊細な美術品の製造を行う。研磨も手掛けているが、空山さんの絵を元に、3Dの図面に起こして型をつくり、アルミで原型を作って行く。職人が手作業で2カ月かけて研磨すると鏡のように輝くロボットアートが生まれる。
新美の巨人たちの次回予告。
「スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~」の番組宣伝。
