国際政治学者のイアン・ブレマー氏は、今年1月に「2026年は転換の年だ。地政学的な不確実性が極めて高い年になる」と警鐘を鳴らしていた。ブレマー氏の調査会社であるユーラシア・グループが毎年発表している「ことしの10大リスク」で、トップに挙げていたのが「アメリカの政治革命」だった。トランプ大統領が自らの権力に対する抑制を組織的に解体して政府機構を掌握し、政敵への武器にしていると指摘した。その発表の翌月に、トランプ大統領はイランへの軍事作戦を始めた。現在をどう見るかについて、ブレマー氏は「アメリカは今や世界的な政治リスクの原動力となり、世界の政治的不確実性や不安定性を推し進めている。世界を危険にさらしているのはトランプ氏だ。イランではない」などと語った。ブレマー氏自身が衝撃を受け「世界に大きな分断を生んだ」と指摘するのが、トランプ氏の「今夜文明が丸ごと滅び、2度とよみがえることはないだろう」との発言だった。ブレマー氏は「どんな指導者であれ許されない発言。この戦争では同盟国を含めほぼすべての国がアメリカを支持していない」などと語った。ブレマー氏は「アメリカに代わり中国が影響力を強める」と指摘し、「トランプ政権の修正主義と比べれば、中国政府はより安定していて魅力的だとみなされている。各国は情報支援・防衛支援・貿易など経済でもアメリカとの関わりを減らす方法を模索している」などと語った。日本の果たすべき役割については、「日本は国連への拠出金を増やすべき。WHOもアメリカの代わりに中国が拠出金を増やしている。アメリカが抜けた空白を中国が埋めるのを許してはならない」などと語った。
