アメリカとイランの戦闘終結に向けた覚書の署名式についてスイス外務省はスイス中部の年で行う予定だと明らかにした。またアメリカメディアのブルームバーグは覚書の草案の内容を伝えた。それによると覚書の署名を持ってレバノンを含む全ての戦線で戦争を即時かつ恒久的に集結させることを宣言としていて、60日間の期限内に交渉を行い最終合意に達することを約束するとしている。その上で署名後、アメリカは直ちに会場封鎖を解除し、最長で30日以内に船舶航行を完全に回復させるとしている。一方、イランは商船の航行を30日以内に戦争前の水準まで再開させるための措置を講じるとしていてホルムズ海峡の通航再開を盛り込んでいる。合意が着実に履行されるかが焦点となる。仮に合意が履行されホルムズ海峡が通れれば原油の9割以上を依存してきた日本にとって明るい材料となる。政府関係者は実際にいつどのような形で解放されるか読めない、機雷がどこにどれだけあるのか、誰が把握できているのか、大きな課題の一つだと指摘している。エネルギー経済社会研究所・松尾豪代表は戦闘状態が終わっていくという意味では非常に歓迎するべきだがビジネス面では手放しで喜べる状況ではなく不確実性の高い状態が続くとしている。さらに原油の生産に関して情勢悪化前の状態に戻るためのポイントは海峡内の機雷の懸念を払拭するため掃海作業が完了すること、産油国の原油生産が平常に戻るか。原油減産の主要産油国については1か月程度で元の水準に戻る可能性があるとしているがホルムズ海峡については機雷の懸念があり正常かまでは数ヶ月~半年かかる可能性があるとみている。また専門家の中には今回の合意はあくまでも60日間の停戦合意の意味合いが強いとして海峡の正常化を見通することは難しいと話す人もいる。日本政府はホルムズ海峡を通らない代替ルートでの原油調達で来月は中東情勢悪化前の去年とはほぼ同じ量が確保できる見込みになったとしている。だがホルムズ海峡経由の中東産原油は輸送コスト面で優れていて、日本の多くの石油精製施設は中東産に合わせた装置とされる。今後、ホルムズ海峡が開放されれば大きな意味になる。赤澤経産相は今回の中東情勢の金箔化を受けエネルギー供給の多角化を考えてうかなければならない、課題を突きつけられたと認識していると発言した。政府は今後も安定供給に向け調達の多角化を進めていく方針で中東の地政学リスクを目の当たりにしたからこそ分散を進めていくべきだといえる。まずは合意に到れるか、その後の核問題について最終合意に向けた議論の行方を注視したい。
