- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ 松嶋尚美 井戸田潤 カズレーザー 松陰寺太勇(ぺこぱ) 福田麻貴(3時のヒロイン)
オープニング映像。アメリカとイスラエルのイラン攻撃。いったい何が起きているのか、わかりやすく解説。今後どうなる?日本への影響は?トランプ大統領。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃。いったい何が起きているのか、わかりやすく解説。中東情勢のカギを握るイランとは?イランは独自の文化が栄えてきた国。世界遺産の登録件数は29件。暦に関してはイラン暦といって、春分の日が新年の始まり。世界一の反米国家と言われるイラン。一度でもイランに行ったことがある人は簡単にアメリカに入国できなくなる。イランは日本とは仲が良い。1974年から1992年までイランと日本はビザ相互免除協定があった。
中東の揉め事の根底にあるものとは。パレスチナ自治区・アラブ人イスラム教と、イスラエル・ユダヤ人ユダヤ教が、エルサレムをめぐっての対立。パレスチナ問題とは住む場所をめぐる土地争い。イスラエルを支援してきたのがアメリカ。1948年、建国以来約1750億ドルの軍事支援、経済支援を行ってきた。
世界一の反米国家と言われるイラン、なぜアメリカとイスラエルは仲良し?イスラエルの住むユダヤ人は約715万人。アメリカに住むユダヤ人は約630万人。アメリカのユダヤ人は企業のトップ、科学者、政治家など有力人物が多い。アメリカ国民の約4分の1がキリスト教 福音派。
イスラム教がわかれば中東がわかる。サウジアラビアはアラブ人、イランにはペルシャ人。宗派も違いサウジアラビアはスンニ派、イランはシーア派。サウジアラビアは親米で、イランは反米。
世界一の反米とも言われるイラン。昔は親米だったという。1970年の首都テヘランの様子を紹介。当時イランは欧米の文化を取り入れていた。なぜ反米になったのか?きっかけになった出来事は、イラン イスラム革命。1979年~1981年、アメリカ大使館占拠事件。
イランの国王がいなくなり、トップになったのが最高指導者の初代ホメイニ師。2代目ハメネイ師。黒ターバンはムハンマドの血筋を引いている人。イランにも大統領はいるが、大統領より上が最高指導者。イランは12イマーム派。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃について。そもそもは2002年にイランが核兵器を開発しているとの疑惑が浮上したことがきっかけになっている。イランにも反政府勢力があり、彼らが「イランはこっそり核開発をしている」と暴露した。これに対しイランは「平和利用で、原爆を作っているわけではない」と主張した。しかし核開発をするにはIAEA(国際原子力機関)に申告しないといけないのにイランは十分に行っておらず、国際社会は疑惑の目を向けた。特にイスラエルは「イランが核兵器を持てば、イスラエルの滅亡につながりかねない」と危機意識を持つようになった。欧米や国連はイランに経済制裁を実施し核開発を止めさせようとしたが、イランは態度を変えず経済制裁が続いていた。そんな中、オバマ大統領は2015年にイラン核合意を取り結び、核開発を制限し経済制裁を緩和した。イランはIAEAの査察も受け入れるようになり、アメリカとイランは緊張緩和に向かっていた。しかしトランプ大統領は一期目に、イラン核合意から一方的に離脱した。バイデン大統領が再び交渉を進めようとしたが、再びトランプ政権となってアメリカはイランに厳しい態度を取るようなった。去年の6月にはアメリカがイランの核施設を爆撃し、現在に至っている。トランプは過去の言動から「イランと戦争をすればアメリカ大統領の支持率が上がる」と考えている節があり、今支持率が下がり始めたため突然イランを攻撃し始めたと国内で批判が始まっている。エプスタイン文書のこともあり、目を逸らすためにイランを攻撃したと見るアメリカ国民もいる。イスラエルのネタニヤフ首相がトランプ大統領に、イランを攻撃しようとずっと働きかけていたことが最近になってわかってきた。イスラエルに引きずられる形でトランプ大統領はイランを攻撃したのではないかという見方も出てきている。
今年に入ってイラン国内では反政府デモが起き、死者が3000人以上(イラン国営テレビ発表)と日本でもニュースになっていた。それが収束したと思いきや突然アメリカとイスラエルがイランを攻撃し、最高指導者のハメネイ師を殺害した。イランは核開発をやめないことで経済制裁を受けており、物価高や通貨安で経済状況が悪化していた。政府に不満を持つ人々が多くいたため、イラン全土で政権批判へと発展していった。イランには警察や政府軍とは別に「革命防衛隊」という武力組織があり、反政府運動を行った人々に容赦なく発砲し数千人の国民が死亡したとされている。革命防衛隊は最高指導者の指揮下にあり、政府軍が政権に反発しないように見張っている。アメリカは攻撃する前に、イランと核の放棄に関する核協議を行っていた。交渉を仲裁していたのはオマーンで、「合意は近い」との積極的な声も上がっていた。しかしアメリカはそもそも核協議よりも前に、攻撃を決めていたとも言われている。
イランはアメリカともイスラエルとも仲が悪く、宿敵のような存在。さらにイランは周辺の武装組織に資金や武器を提供し、イスラエル包囲網を作っていた。それだけでも脅威なのに、核兵器まで持てばイスラエルにとっては危険すぎる存在となる。イスラエルは何としてもイランの核開発を止めさせ、あわよくば現体制を崩壊させたい。そのためにアメリカを引きずり込み、イランを攻撃した。これまでのアメリカ大統領の中では、トランプは特にイスラエルとの関係が深い。イスラエルは過去に何度も歴代の大統領に「イランを攻撃しよう」と働きかけていたが、断られていたという経緯がある。今回両国が攻撃に踏み切った背景には、イランのトップである最高指導者や上層部が集まる日時や場所をほぼ確実に突き止めたことがある。この攻撃は実際よりも早く実行できる可能性があったという。トランプ大統領は核協議が始まる1月中旬にはイランへの攻撃を考えていたとも言われている。しかしアメリカ側の戦力が整うまで待ち、先週土曜日に攻撃に踏み切ったと言われている。イランの最高指導者は非常に用心深く、去年の攻撃の際にはハメネイ師は地下壕で過ごしていたとされている。しかし先週土曜日の朝は事務所に幹部を集めて重要会議を行っていて、それがなぜか伝わっていた。ハメネイ師は攻撃があるならば夜だろうと、油断をしていたとも言われている。「世界最強」とも言われるイスラエルの情報機関「モサド」がアメリカのCIAと手を組み、様々な情報を収集していた。なんと首都・テヘランのほぼ全ての交通監視カメラをハッキングしていたという。さらに警護部隊に緊急の電話が繋がらないよう、通信を遮断したうえで攻撃を行っていた。イランへの攻撃で最初に動き出したのは、アメリカのサイバー軍と宇宙軍だと言われている。宇宙軍は敵対勢力の人工衛星の機能を妨害するシステムを配備している。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃について。空母は多くの戦闘機や爆撃機を搭載しているが、空母打撃群とは空母を中心に駆逐艦や潜水艦で構成する戦闘部隊のこと。この空母打撃群が最初はイランの近くに1つしかおらず、2つ揃えば攻撃ができると、核協議をしている間にアメリカは艦隊を送り込んでいた。イラン側は協議が行われている間は攻撃はないだろうと、油断していた可能性がある。イランは中東のアメリカ軍基地にミサイルやドローンで報復攻撃を行っている。しかし精度が低く、基地以外にも被害が出ている。アメリカ本土に届くミサイルは、去年の6月の攻撃で破壊された可能性がある。しかし今後アメリカ国内で親イラン派のテロが起きる可能性はある。イランのペゼシュキアン大統領は声明を出し、「周辺国に対する攻撃を謝罪し、今後アメリカ軍がイランを攻撃してこない限り反撃を止める。これ以上の攻撃をしない」と明らかにした。一方で中東メディアは、この謝罪の後もイラン側の攻撃は各地で続いていると伝えている。またイランはアメリカに対して「無条件降伏などという夢物語は墓場まで持って行くことになる」と徹底抗戦の構え。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃について。戦争の場合、攻撃する側が事前に「これから攻める」と伝えなければならないが、アメリカとイスラエルはイランに伝えることもなく一方的に攻撃し、他国の国家元首を殺害した。国際法違反とも言われている。アメリカの場合宣戦布告をする権限は議会が持っているが、トランプ大統領は今回議会を無視して攻撃を行った。トランプ大統領は「イランの差し迫った脅威を排除し、アメリカ国民を守る」と正当化しているが、本当に差し迫った脅威があるのか証拠がない。先制攻撃は国際法違反だが、差し迫った脅威に対する自衛の場合は合法とみなされる可能性がある。今回の攻撃は「MAGA派」と呼ばれる熱烈な支持者からも批判されている。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃について。トランプ大統領は「イランの差し迫った脅威を排除し、アメリカ国民を守る」と正当化している。ところが去年6月にアメリカがイスラエルと共にイランを攻撃した際、トランプ大統領は「イランの主要な核濃縮施設は完全かつ徹底的に破壊された」と語っていたため、発言自体が矛盾している。アメリカ軍は大統領の命令に従わなければならず、現場では相当の不満が溜まっている。イランは60年ほど前まで国王がおり、親米の国だった。しかし貧富の差が広がって国民が反発し、イラン・イスラム革命によって反米政権が誕生した。トランプ大統領はリーダーが誰になるかによって、親米だったり反米だったりと体制が変わると考えているよう。しかし最高指導者の候補の多くが、攻撃に巻き込まれて死んでしまった。現在後継者として注目されているのがモジタバ師で、死亡したハメネイ師の次男。イラン革命防衛隊との関係が深く、反米保守強硬路派と言われている。しかしハメネイ師は世襲に反対しており、モジタバ師はイスラム教の法学者の中では位が低く最高指導者としての資格はないとイラン国内では見みられている。しかしイラン革命防衛隊が強く推している。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃について。ホルムズ海峡の封鎖がニュースになっているが、場所はイランとオマーンの飛び地の間にあり海峡の幅は約30km、タンカーが通れる海域の幅は約6km。世界で消費される原油の約2割が通過するといわれ、中東の原油やガスなどを運ぶ重要な場所。領海自体はイランとオマーンで半々だが、イラン革命防衛隊は「この場所を通る船は攻撃する」としており、結果的に封鎖されているような状態になっている。実際にタンカーが攻撃されているという情報もあり、多くのタンカーがペルシャ湾で身動きが取れなくなっている。以前イラン・イラク戦争があった時には、アメリカの艦艇が44隻ホルムズ海峡に出て護衛していた。今アメリカ海軍が出せる船は12隻しかないと言われている。イランは現在アメリカとの戦力との差がありすぎることから、石油の価格を上昇させることでアメリカ国内のトランプ政権への支持下落を狙っていると考えられる。ホルムズ海峡は日本へ輸入される原油の約8割が通ると言われており、ガソリンやプラスチック、石油製品の値上げが考えられる。備蓄があるので、すぐに石油がなくなるということはない。中国やインドもイランから大量の石油を輸入しており、影響は世界中に広がっていく。
今月19日にアメリカのホワイトハウスで日米首脳会談が行なわれる予定で、今回のイラン攻撃についても話し合われるとみられる。当初は経済や防衛協力がメインで話し合われるはずだったが、高市首相は「イランの問題についても率直に話をする」としている。高市首相はこれまでイランが攻撃していることは非難しているが、アメリカが攻撃したことについては評価を避けている。日米首脳会談でトランプ大統領に「アメリカの攻撃を支持するか」と聞かれた時に、高市首相がどのような答えをするのか注目されている。アメリカ側を支持した場合イランとの関係性が悪くなるだけではなく、国際法違反ではないかと言われていることを支持していいのかどうかという問題がある。一方で「国際法違反だ」と言えばトランプ大統領が怒りかねず、高市総理はこれまでアメリカについては何も言及しないというギリギリの立場をとっている。松嶋尚美は「強い立場のアメリカの上にトランプが立つと、グチャグチャだなという印象を持った」などとコメント。福田麻貴は「この問題がどこまで長引き、どこに着地するのか心配」、カズレーザーは「トランプ大統領には割に合わないと早めの判断をしてもらいたい。五輪が遠い過去のように思える」なとと語った。
池上彰著「20歳の自分に教えたい 宗教のきほん」が発売中。池上彰は「政治と宗教の関係、イスラム教の話など、宗教がわかれば世界が見えてくる」などと語った。
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